2013年8月31日土曜日

2013年8月15日木曜日

終戦の日

ぼくの父は海軍の飛行機乗りだった。日本の敗色が濃くなると、父も特攻隊に志願することになって、9月に出撃するはずだったという。もし、降伏が1か月遅れていたら、または特攻の順番が1か月早ければ、ぼくは存在していなかったわけだ。
父が特攻隊に志願したのは、ずいぶん前からどうせ負けは明らか、圧倒的な戦力の差の前で本土決戦などと言われていた当時、飛行機乗りが生き延びる可能性がある選択肢は事実上なかった。敵艦に突っ込んで死ぬか、空中戦で死ぬか、どっちにしても死ぬんだったら、でかい軍艦を沈めて死ぬほうが得(?)だという計算だったらしい。クレイジーな戦術だとも言われる けれど、そもそも「どっちにしても死ぬしか選択肢がない」という状況で、クレイジーじゃない戦術なんてあるだろうか。特攻がクレイジーなのではなく、戦争がクレイジーなんだ。

ところが68年前の今日、戦争は終わり、おかげでぼくもこうして生まれてきた。
降伏の決断が1か月早ければ、もっと多くの人が生まれていただろうし、1か月遅れていたらぼくをはじめ、今生きている人のうち、何十万人か、何百万人かは存在していないだろう。他人の話ではなく、それは自分かもしれない。

降伏の決断が遅れたのは国体とやらを心配したからだという。バカバカしい話だ。

2013年8月13日火曜日

人間の條件

正月やGW、夏休みなど、まとまった時間が取れる時に、普段なかなか見ることができない映画を見るようにしていて、今年の夏は古い松竹映画、「人間の條件」を一気に見てしまった。
 前々から見たいと思っていた映画だったのだけど、何しろ長い。第一部から完結編まで全部見ると10時間近い超大作である。もちろん、全部通して一気に見なきゃいけないってもんでもないのだけれど。
とにかくなかなかすごい映画で、今だからこそ、ぜひ多くの人に見てもらいたい映画でもある。
映画評なんて上等なものではないけれど、せっかく見た映画なのだから、見て感じたこと、考えたことなどを並べてみよう。