2016年5月4日水曜日
リッツ缶ロースターの使い方~いろいろ工夫してみる編
とりあえず編では、リッツ缶ロースターにコーヒーの生豆(これ「なままめ」と読む)を入れて火にかければ15分ぐらいでコーヒーになる、と書いた。その通りで、このロースターなら特に神経を使わなくてもまずくて飲めないなんてことは絶対に無い。そうは言っても、やっぱりノウハウみたいなものがある。また、コーヒー焙煎のプロセスの各段階で、コーヒー豆がどう変化しているのかといった焙煎の基本的な知識があると、応用も効くというもの。ただし、ぼくは焙煎の専門家ではないので、特別に専門的、あるいはマニアックな内容ではない。シェフでも板前でもない素人がレシピサイトに投稿している「鶏胸肉をジューシーに仕上げる方法」だとか「サクサクのクッキーを焼くコツ」みたいな内容だと思っていただきたい。
2016年4月30日土曜日
リッツ缶ロースターの使い方〜とりあえず焙煎編
…と言っても、この「とりあえず焙煎編」では難しいことは考えない。
生豆をカップ1杯(約150g)ぐらいロースターに入れて、ガスレンジの火にかけ、ひたすら缶を上下にがしゃがしゃと振り続けるだけ。豆がおいしそうな色になったら火からおろしてザルなどに豆をあけてファンやうちわなどで冷やす。
これでオシマイ…なんだけど、これだけではあまりにも説明としては不親切なので、もう少し詳しくぼくの使い方を書いておこう。
2016年4月29日金曜日
簡易コーヒー・ロースター
そんなある日、韓国の友人が「それなら自分で焙煎すればいい」という。簡単だから、というので、それじゃ、とばかりにコーヒー屋で金網の焙煎器を買ってきて自分で焙煎してみたら、ホントにそこそこ満足できてしまう。高級な豆屋で高い値段の豆を買わなくても、自分が必要な時に好みの味のコーヒーが飲める。少なくとも、それ以来、ぼくはコーヒーは自分で焙煎するようになった。
最初のうちはいわゆる「手網焙煎」というやつでやっていたのだけど、ネットでミルク缶を使って焙煎器を作る方法を見つけた。なかなか良さそうだったのでミルク缶と同じようなサイズのリッツ缶を使ってやってみたところ、具合がよろしい。手網よりいい感じに焙煎できる…のだけど、使っているうちに音がうるさいとか、自宅のガスレンジの温度検知器が作動して火が小さくなるとか、熱量が足りないとか、それなりに不満も感じるようになった。
2015年7月15日水曜日
直火式エスプレッソでおいしいコーヒーを
私もいろいろな機会にマキネッタで淹れたコーヒーを他人にふるまうことがあるのですが、後になって「このあいだのコーヒーがおいしかったので、マキネッタを買って自分でも淹れてみたけど、あの時の味が出ない。どうすればおいしく淹れられるのか」と聞かれたりします。マキネッタの使い方は、インターネットでもいろいろなサイトで紹介されているとおりですし、決して難しい技術が必要とされるわけでもありません。しかし、あちこちで見かける説明は、マキネッタでコーヒーを淹れる時に気をつけるべきいくつか大事なポイントが書かれていないものがほとんどです。おかげで残念なことに「マキネッタのコーヒーはおいしくない」と思い込んでいる人も少なくないようです。
| マキネッタ。ビアレッティ社のモカ・エキスプレス1cpu用。 |
高級なエスプレッソ・マシンで上手に淹れたすっきり洗練されたエスプレッソと較べれば、マキネッタのエスプレッソはちょっと野暮ったい素朴な味と言えるかもしれません。ぶっきらぼうだけど、ホッとするような味。本当かどうかイタリア人に聞いたことはありませんが(いつか聞いてみたいものです)、マキネッタのコーヒーは「ママのコーヒーの味」だといいます。日本で言えば、高級料亭の上品な味噌汁と家庭で作るいつもの味噌汁の違いのようなものとでも言えばいいでしょうか。
私も家庭用の小型のエスプレッソ・マシンを持っていますが、マキネッタもよく使います。その日の気分に応じてエスプレッソ・マシンでコーヒーを淹れたり、マキネッタで淹れたりしておいしいコーヒーを楽しんでいます。「マキネッタのコーヒーはおいしくない」という人は、あるいはマキネッタの使い方が間違っているのかもしれません。
2015年3月4日水曜日
カフェ・ティモール
| PARCICで買ったカフェ・ティモール |
このカフェ・ティモールは割とポピュラーで、あちこちで飲める。普通においしい。
焙煎豆も売っているので、普通に飲みたければ焙煎豆を買ってきて飲めばいいんだけど、ちょっと思うところがあって、常々もう一段階深く焼いてエスプレッソで飲んでみたいと思っていた。以前は生豆の少量の小売をしてなかったんだがしばらく前から生豆も売るようになった。
昨日、小川町の方に用事があって、ちょっと時間があったので小川町のPARCICに寄って「1キロください」と言ったら、しばらく奥でごそごそやっていて、「はい!」とZiplogのバッグに入れて渡してくれた(写真)。2014年のニュークロップだそうな。
2014年3月14日金曜日
新自由主義に強奪されたフェアトレード
そんなことを考え始めるとキリがない。フェアトレードだの帝国主義だのの矛盾に無駄に悩まず、普通の不公正貿易コーヒーを愛飲している、というとウソになる、単に安くておいしからいいや、といったストレートな理由で不公正貿易コーヒーを飲んでいるわけだ。
そんなある日、韓国のチャムセサンに掲載されていた「新自由主義に強奪されたフェアトレード」というテキスト(原文韓国語)を見つけたのだけど、これがなかなかおもしろかった。 韓国でも最近、フェアトレードが流行しているそうなんだが、やっぱり韓国の左翼もフェアトレードについては似たようなことを感じているらしく、そのあたりの議論のタネとして(週例討論会の資料だ)、フェアトレードをめぐる話題がまとめられている。
討論会用のテキストということもあって、必ずしもこの内容はフェアトレードにかかわる人たちが同意するようなものではないと思うし、いろいろな論点がスルーされている部分もあるように思う。 フェアトレードについては素人なので、この文章について気の利いたコメントはできないけれど、フェアトレードについて考えるきっかけとしては悪くないと思う。
以下、ざっくり翻訳してみたので、フェアトレードに興味のある方はご一読を。
2013年4月14日日曜日
日本式コーヒー、あるいはコーヒーにおける匠の技
日本式コーヒーをご存知だろうか。
ポットにフィルターをセットし、注ぎ口の細いポットでコーヒーの粉を湿らせて30秒ほど待つ。
粉が十分に湯を含んだところで静かに一投目の湯を注ぐ。
湯温は90度を目安として目的とする味にあわせて温度を調節する。
コーヒーの粉がフィルターの中で形成する壁を壊さないように、数回に分けて静かに湯を注いでできあがり。
あ、それから、飲むときにはブラックで、砂糖も入れないのが日本式(?)だ。
何のことはない、日本では珍しくもないドリップのコーヒーなのだが、これが欧米人の目には何ともエキゾチックに見えるらしい。特に、日本のコーヒー専門店に行くと、一杯ずつペーパーフィルターで入れてくれるのが珍しいらしい。
数年前のニューヨーク・タイムズのコラム、Coffee’s Slow Danceと、この記事を紹介しているThe Kitchenというサイトのコラム、Japanese Slow Brewed Coffeeという文章を読むと、珍しくもないペーパー・ドリップがどうやら実はかなり特異な、しかしちょっとしたコーヒーマニアもうならせるコーヒーの飲み方であることがわかる。
ちなみに日本はアメリカ、ブラジル、ドイツに次ぐ世界第四位のコーヒー消費国だ。
考えてみると、外国で飲むコーヒーは、ちゃんとしたバリスタがいれたエスプレッソを除けば、かなりいい加減なコーヒー、というか、要するに、まずい。どういうことなんだろうと思って調べてみると、外国では日本の専門店のように丁寧にコーヒーをドリップしたりはしないということがわかる。
おいしいコーヒーのいれかた、みたいなキーワードで海外のサイトを検索してみると、ろくなページがない。粉をむらす、なんてことも書いてないし、コーヒーの壁なんて概念もどうやら存在しないらしい。
海外でペーパードリップというと、メリタ式が主流なんだけど、このメリタ式というのは日本で良く見かけるカリタ式と違って、少々細かめに挽いた粉を入れてドバッと全ての量の湯を注いでできあがり、という入れ方をする。最近は円錐形のフィルターも使われているみたいだけど、これも同じように粉を入れて一気に湯を注いでできあがり、という使い方をするらしい。
どこのサイトだったか、ネルドリップの説明がすごかった。
ネルで作った袋に挽いたコーヒーの粉を入れて湯を注ぐ。
以上。
確かに、それでもいいんだけれど、日本人としてはネルドリップというのはドリップコーヒーの極みに位置する方式とされ、素人がむやみに手を出すもんじゃないと思われていたりする。といっても、実際にはペーパーフィルターと基本的には同じなのだけど、ペーパーフィルターの時より湯の通りがいいので、少しずつ湯を注ぐコントロールがちょっと難しい。上手に入れれば、ネルドリップ独特の深いコクのあるコーヒーが楽しめる。
ちなみに、ネルドリップという方式は、かなり歴史が古いらしい。オスマントルコからヨーロッパに入ったコーヒーは、最初のうちはトルココーヒーみたいに粉を濾さずに飲んでいたという。粉が不愉快だと感じたイギリス人が粉を濾すには木綿のフランネルが最適だということを見つけた。
ぼくの勝手な想像に過ぎないのだけど、最初は鍋にコーヒーの粉を入れて煮出し、それをネルで漉していたのではないだろうか。粉を鍋に入れず、ネルのフィルターに入れて湯を注ぐというドリップの発想は、画期的だと思う。鍋で煮だすと、どうしても香りが飛んでしまったり、雑味が出たりする。粉に湯を注ぐことで、コーヒーの香り高いおいしいコーヒーができるわけだ。この時のレシピこそ、「ネルで作った袋に挽いたコーヒーの粉を入れて湯を注ぐ」というものだったんだろう。
その後、ネルの手入れがめんどくさいとか、湯の注ぎ方によって味にばらつきが出ることに注目したのが、ドイツのメリタ夫人。彼女が考案したメリタ式はとても合理的な方法で、粉の挽き目さえバッチリ決まっていれば誰がやっても安定しておいしいコーヒーが飲めるというので世界に広がった。なお、日本でよく見かける三つ穴で側面のリブが長いカリタ式フィルターは、湯が滞留する一つ穴のメリタと違って湯の通りがよく、ネルドリップに近い。そのため、カリタ式では挽き目はメリタ式より粗めで、湯を注ぐ時のコントロールが要求される。
それに対してイタリアでは、 上下の容器を連結して湯が湧いたらクルッとひっくり返すナポリ式のポットがかつては有名だったけれど、20世紀に入って高圧急速抽出という画期的なコーヒーの入れ方が考案されて、モカポット(マキネッタ)や各種のエスプレッソマシンが登場した。イタリア人はケチだけど味にうるさいのでエスプレッソが広がったというが、エスプレッソなら少量の豆でコーヒーのおいしさを完全に引き出すことができると言われる。現在、欧米の高級コーヒーはエスプレッソが主流になっている。
さてアメリカでは、パーコレーターだとかネルドリップやペーパーフィルターが使われていたようだが、その後、便利なコーヒーメーカーの登場で今では手作業で湯を注ぐなんて面倒なことをするよりは、コーヒーメーカーでボコボコと作っちゃうのかもしれない。
余談ながら、アメリカのコーヒー(アメリカン)は、苦味が少ない浅煎りの豆を使うという。これに対して「アメリカーノ」は、第二次大戦でイタリアに進駐した米兵にはエスプレッソが濃すぎて飲めず、湯で薄めたコーヒーだと言われている。
この他、フランス発祥のフレンチプレス、化学実験の道具みたいなサイホン、ジャワを植民地にしていたオランダがジャワのコーヒーを飲むために考案された水出し用のダッチコーヒーの器具など、ヨーロッパにはさまざまなコーヒー器具がある。
まあ、どんな方法であれ、コーヒー豆を挽いて、その粉に湯をかければコーヒーができる。外国人にとって、コーヒーのフィルターなんてのは、粉が口に入ると不快なので、それを取り除くものとしか思われてないのだろう。よく調べれば、それでも海外のサイトにも、フレンチプレスや金属フィルターはコーヒーのオイル分を通すからコクが出るとか、それなりのウンチクを書いてるサイトもあるのだが、フィルターの種類なんかよりはむしろ、おいしさを決める要因としてはコーヒー豆の品質の方に比重が置かれることが多い。
日本式コーヒーは、欧米諸国のように、新しい器具を考案して楽においしくコーヒーを飲もうという発想ではない。ネルやペーパーフィルターといった旧式の方法を使っておいしいコーヒーを飲むための技術を開発し、研ぎ澄まされた匠の技に集中した結果が日本式コーヒーであり、冒頭に書いたような形で定式化された方式で抽出したコーヒーなのだ。
抽出技術をストレートに反映させるには、一度セットしたら触りようがない複雑な器具よりも、ペーパーフィルターのようなシンプルな器具の方が好都合。エスプレッソマシンなんて、バリスタの手が及ぶのは挽き目とタンピングぐらいしかない(というと文句言われそうだ)が、ドリップなら「蒸らし」から湯の量やスピードの配分など、ほぼすべての過程がコントロールできる。同じ豆でもおいしいコーヒーになるか、まずいコーヒーになるかは、ひとえに喫茶店のマスターの抽出技術にかかっているわけだ。
なお前述のダッチコーヒーだが日本ではコーヒー専門店などに置いてあるのを見かけることがある。本来のダッチコーヒーというやつはよく知らないのだけど、一晩かけてゆっくりと抽出する水出しアイスコーヒーも、海外では日本式と言われるらしい。つまり本家のオランダでは、大昔に廃れてしまった方式なのだろう。一滴、一滴と、時間をかけてゆっくりと、丁寧に、というあたりが西洋人には東洋的なエキゾチシズムを感じさせるのかもしれないが、ぼくとしてはあくまでも日本式コーヒーの真髄は研ぎ澄まされたドリップの技術にあると思う。
余談: 抽出法というわけじゃないけど、日本式コーヒーの特徴は「ブラックで飲むべし、この場合ミルクはもちろん、砂糖も入れない」という点と、「純粋なストレートを重んじる、ブレンドは不純な混ぜものコーヒー」というあたりもあると思う。
欧米でブラック・コーヒーというと、ミルクを入れず砂糖だけで飲むコーヒーのことだけど、日本では砂糖も排する。ミルクや砂糖はコーヒーが持つ本来の味を損ない、味がわからなくなるからだ。これはその通りで、コーヒーのカッピングなんかでは当然ミルクや砂糖は入れない。
しかし、これはまあ、好き好きというもので、最終的なコーヒーという飲料をおいしく飲むためにミルクを入れたり、砂糖を入れたり、あるいは先日書いたようにバターを入れたりと、いろんなバリエーションを楽しめばいいのだが、まあ、日本じゃそういうのは「邪道」とされる、ということ。ちなみにぼくは普通コーヒーを飲む時はミルクも砂糖も入れない「日本ブラック」なんだけど、これは好き嫌いというより、いちいちミルクや砂糖を入れるのがめんどくさいから。いい加減な喫茶店でまずいコーヒーを注文する場合、ミルクと砂糖をたっぷり入れて飲んだりする。
ストレート・コーヒーを珍重するのは、これはあまり良い意味ではない日本的な純粋至上主義じゃないかと思う。ヘタなストレート・コーヒーより、しっかりしたブレンド・コーヒーの方が絶対おいしい。ただし、最近は日本にも上等なスペシャルティ・コーヒーが入るようになって、そういうやつだとストレートでもイケるんだが。なお、ストレート・コーヒーと言っても、並みの出荷地の名前がついた「ストレート・コーヒー」は、出荷地であちこちの農園の味が違う豆がごっちゃまぜにブレンドされているので、考え方によっては一種のブレンド・コーヒーなんじゃないかと思う。
2012年12月24日月曜日
バターコーヒー
ちょっと異様な取り合わせのように感じるかもしれないけれど、考えてみればバターは生クリームの脂肪分を固めたものなのだから、成分的にはコーヒーにクリームと似たようなもの。怖がる必要はない。
バターコーヒーと言っても特別なものではない。普通にいれたコーヒーに好みの量のバターを浮かべるだけでもいい。バターの量は好みだけれど、あまりたくさんいれるとバタ臭くなる。個人的にはバターをひとかけ2-3g程度に、砂糖をひとさじぐらいが好み。
ちょっと本気でおいしいバターコーヒーが飲みたければ、深煎りにしたブラジルやマンデリンなどの苦味が強いコーヒーを少し濃い目にいれて、できるだけ上等な無塩バターを浮かべる。
パンに塗るような普通の有塩バターを使うと、バターに含まれる塩分がせっかくのコーヒーの風味をぼやかしてしまう。だからここは、ぜひとも上等な無塩バターを使いたい。すっきりしたバターの脂肪分がコーヒーの風味をそこなうことなく、苦味の角を丸くしてマイルドな味わいにしてくれる。
だけどバターコーヒーの本領は、たぶんそんな上品な飲み方じゃなくて、コーヒー好きが「こんなもの、飲めたもんじゃない」と放り出すようなワイルドな味がする安物の豆でいれたコーヒーに、そこらのバターを浮かべたものなんじゃないかと思う。この仮説はマンデリンも無塩バターも高いから買えない、という貧乏人(オレのことだ)に支持されるはずだ。
この場合、できるだけ安い深煎りコーヒーに、普通の有塩バターをたっぷりと浮かべる。上等なコーヒーと無塩バターの組み合わせのときよりもバターはたっぷり、ちょっとバタ臭いかなと思うぐらいが適量だ。
コーヒーのお勧めは、スーパーで安く売ってる焦げた麦茶みたいな味の「アイスコーヒー用ブレンド」だ。粉からいれるのがめんどくさければ、安いインスタントコーヒーでもいい。とかにく安物のコーヒー豆やインスタントコーヒーにたっぷり配合されているロブスタは、雑味が多く、ロブ臭さといわれるような特有の味がするので「まずい」と言われるわけだけど、バターの塩分は、このロブスタの雑味を殺し、脂肪分が安っぽい味をまろやかにしてくれる。そしてロブスタがそれなりに持っている独特の風味と、たっぷり入れたバターのコクと香りが絶妙にマッチして、なかなかいい感じになる。
ところで、バターとコーヒーの組み合わせには、いろんなバリエーションやアレンジがある。
ぼくは飲んだことがないのだけれど、一部で流行っているらしいのが濃い目のコーヒーに無塩バターを入れ、さらにココナッツミルクを入れてガーッとかき混ぜるというレシピ。たぶん、それなりにおいしいんだろうけど、普通のバターコーヒーは「コーヒー」の範疇に入るとしても、ココナッツミルクを入れちゃうとアレンジコーヒー、フレーバーコーヒーの範疇になるんじゃないかと思う。コーヒーというより「コーヒー飲料」じゃないのかなあ。あまりアレンジコーヒーには興味がないなあ。
独特の器具を使うベトナムコーヒーで有名なベトナムでは、しばしばコーヒーを焙煎する時、あるいは焙煎後に熱いコーヒーにバターをからませるという。ベトナムのバターというのがどんなバターなのか知らないけれど、おそらく普通の有塩バターではないかと思う。ちなみに、ベトナムはフランスの植民地時代が長かったので、パンの味は日本のパンよりはるかに上だとか。バターもおそらくフランスパンにつけて食べるような種類の有塩バターだと想像する。
バターを使った焙煎は、上述のように塩分がコーヒーの雑味を隠してマイルドにしてくれると同時に、表面にからんだ油脂分によりコーヒーの日持ちがよくなるんだそうだ。
インターネットを検索してみると、日本にも焙煎後にバターをからませたコーヒー豆を売りにしているコーヒーショップもある。コーヒー専門店なら、おそらく無塩バターを使っているんだろう。飲んだ人に聞いてみると、「全然普通においしいコーヒーだよ」とのことで、バターを浮かべたコーヒーとは違う味らしい。
余談ながら、寒い時のバターコーヒーは体が温まっておいしいという。余談ついでにアイリスという韓国ドラマの中で、主人公が雪山の中で女スパイにバターコーヒーを飲ませてやる、という場面が印象的だった。ただ、ギョッとするほどたっぷりバターを入れていて、「おい、そりゃ入れすぎだろ…」とか思ったけど、映像的にはワイルドにバターナイフでざくっとすくってベトッと入れなきゃ、カッコつかないんだろうなあ。山小屋にバターがあるという設定もアレだし、極寒の山小屋のバターがあんなに柔らかいわけないだろ、とか、違和感満載の場面ではあったのだけど、まあ韓国ドラマなんてそんなもん。
ところで、有塩・無塩にこだわるようだけど有塩バターの塩分含有量は海水の塩分濃度に近い3%程度だという。食品の塩分としてはかなり濃度が高いのだが、パンに塗った時においしい濃度らしい。
話はバターからそれるけど、まずいコーヒーに塩を入れておいしくする、という技がある。
コーヒーに塩なんて、と思うかもしれないけれど、ここまでのバターコーヒーの話を読んだ人なら納得できると思う。スプーン一杯のバターに含まれる程度のわずかな塩分は、安物のコーヒーの雑味を隠す効果がある。バターコーヒーの塩分は、塩分3%りバター5gなら、150mg程度だ。
いうまでもなく、上等なコーヒーでこれをやると、せっかくのコーヒーの特徴をぼやかしてしまい、逆効果になる。
以前、イタリアのコーヒーを調べていた時に、マキネッタの上のカップにぱらっと軽く塩を入れるというのを読んだことがある。安いイタリアン・エスプレッソの粉を使うんだったらこういう手もありそう。
