私もいろいろな機会にマキネッタで淹れたコーヒーを他人にふるまうことがあるのですが、後になって「このあいだのコーヒーがおいしかったので、マキネッタを買って自分でも淹れてみたけど、あの時の味が出ない。どうすればおいしく淹れられるのか」と聞かれたりします。マキネッタの使い方は、インターネットでもいろいろなサイトで紹介されているとおりですし、決して難しい技術が必要とされるわけでもありません。しかし、あちこちで見かける説明は、マキネッタでコーヒーを淹れる時に気をつけるべきいくつか大事なポイントが書かれていないものがほとんどです。おかげで残念なことに「マキネッタのコーヒーはおいしくない」と思い込んでいる人も少なくないようです。
マキネッタ。ビアレッティ社のモカ・エキスプレス1cpu用。 |
高級なエスプレッソ・マシンで上手に淹れたすっきり洗練されたエスプレッソと較べれば、マキネッタのエスプレッソはちょっと野暮ったい素朴な味と言えるかもしれません。ぶっきらぼうだけど、ホッとするような味。本当かどうかイタリア人に聞いたことはありませんが(いつか聞いてみたいものです)、マキネッタのコーヒーは「ママのコーヒーの味」だといいます。日本で言えば、高級料亭の上品な味噌汁と家庭で作るいつもの味噌汁の違いのようなものとでも言えばいいでしょうか。
私も家庭用の小型のエスプレッソ・マシンを持っていますが、マキネッタもよく使います。その日の気分に応じてエスプレッソ・マシンでコーヒーを淹れたり、マキネッタで淹れたりしておいしいコーヒーを楽しんでいます。「マキネッタのコーヒーはおいしくない」という人は、あるいはマキネッタの使い方が間違っているのかもしれません。